マンションの防水工事には種類がある?主な4つの素材とそれらの工法を解説!

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一般的にマンションの大規模修繕では、屋上や共有部などの防水工事を実施します。しかし、防水工事には4つの素材があり、またそれぞれにいくつかの工法があります。そのため、どれを選択すべきかお困りではないでしょうか。
そこで今回は防水工事の基礎知識や主な4つの素材とその工法についてそれぞれの特徴やメリットなどを詳しくご紹介します!
この記事を読んで、マンションの大規模修繕工事・防水工事をを検討する参考にしてくださいね!
以下では、素材ごとの特徴や工法を紹介していきます。
マンションの防水工事とは
マンションでは、建物の維持や価値の向上のために10〜15年に一度は大規模修繕の実施が重要です。
大規模修繕では、修復箇所の工事や外壁塗装、配管の工事のほか、セキュリティや設備の強化などを行うのが一般的です。
そして、防水工事も大規模修繕で重要な工事の一つで、マンションの屋上や共有部であるベランダも工事の対象です。雨に当たる可能性のあるこれらの場所に、定期的な工事を実施する必要があるのでしょうか。
以下では、防水工事の必要性や防水工事に使用される素材、工法などについて詳しく解説します。
防水工事の必要性
建物は、大きな災害などによるダメージを受けなくても、毎日紫外線や雨に晒されているため、徐々に劣化していきます。そのような過酷な状況に置かれている屋根やベランダなどの防水も、劣化が進み徐々にその効果が失われてしまうのです。
なお、屋上防水は使用される素材や工法、建物がある環境によって差があるものの、10〜15年ほどで防水効果が失われるとされています。
防水効果がなくなると、そこから雨水が浸入し、雨漏りに繋がるため、建物全体の深刻な問題に発展してしまうでしょう。そのため、マンションのオーナーは劣化状態を見て修繕したり、大規模修繕のタイミングに併せて定期的にメンテナンスしたりしてください。
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マンションの防水工事はおもに4種類の素材が使われる
マンションの防水には、建物の状態や特性に合わせて、4種類の素材のなかから最適なものが使われています。マンションの防水に使用される素材は、次の通りです。
・FRP防水
・ウレタン防水
・シート防水
・アスファルト防水
それぞれの特徴については、後ほど詳しく解説します。
さらに同じ素材でもさまざまな工法がある
マンションの屋上やベランダ部分の防水には、おもに4つの素材が使用されていますが、素材ごとに工法が異なります。
さらに、同じ素材を使用していても、その建物の状況に応じて用いる工法が異なります。
そのため、施工業者が工事前に防水工事を実施する場所の劣化具合をチェックし、予算や今後の計画を加味しながら最適な素材と工法を提案するため、参考にしながら依頼しましょう。
以下では、素材ごとの特徴や工法を紹介していきます。
FRP防水
FRP防水の特徴
FRP防水は、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastic)を使用している防水で、防水性能や耐久性に優れているのが特徴です。また、屋上やベランダだけでなく、バルコニーなど幅広い場所に使用されています。
FRP防水は、不飽和ポリエステル樹脂(液状)と硬化剤を混合したものにガラス繊維を組み合わせて、強度や耐久性のある防水層をつくります。また、防水工事では、それぞれの層をしっかり乾燥させる必要がありますが、FRP防水は塗膜が硬化する時間がほかの素材よりも早いため、後期の短縮も可能です。
なお、強度や耐久性が強い素材であるため、ほかの素材をするより費用が高額になる可能性があることも覚えておきましょう。
以下では、FPR防水に用いられる2種類の工法を解説します。
FRP防水の工法①|FRP防水
FRP防水では、基本的にこちらの工法が用いられます。
ほかの防水工事でも行う「下地処理」や「プライマー」の塗布が完了したら、ライニング1層目を塗っていきます。ここでは、ガラスマットを敷き、ポリエステル樹脂を塗布して、脱泡処理をして、硬化させます。
ライニングは2度行い、中塗りとトップコートを施したら工事完了です。
FRP防水の工法②|FRP防水通気緩衝工法
FRP防水通気緩衝工法も、基本的には先に解説したFRP防水の基本作業と大きく変わりません。しかし、下地処理をしたあとにウレタンボンドで通気緩衝シートを貼る作業が加わります。その後、ライニング1層目・2層目と作業が続きます。
FRP防水通気緩衝工法は、FRP防水とは異なり、通気緩衝シートを間に挟んでいるため、防水層の中の水分を逃せるのが特徴です。雨漏りしている建物に向いているほか、耐用年数がやや長いため、修繕工事をなるべく長いスパンで実施したい場合にもよいでしょう。
ウレタン防水
ウレタン防水の特徴
ウレタン防止は、現在防水工事で最も多く用いられている工法です。
ウレタン樹脂で防水層を形成するため、塗料のような液体状のウレタン樹脂を流し込み、ローラーを使って塗り伸ばして塗布していきます。このような工法で仕上げられるため、施工箇所の形状が複雑な場合や、狭い場合にも、継ぎ目のないシームレスな防水層をつくれることが特徴です。
以下では、ウレタン防水に用いられる2種類の工法を解説します。
ウレタン防水の工法①|密着工法
ウレタン防水でも、まずは下地処理を丁寧に行います。そして密着工法では、下地の準備ができたら、直接床面にウレタン樹脂を塗布していきます。
なお、ウレタン防水は、元々使用されている防水の素材が異なるものであっても、工事可能です。ウレタン防水に変更したい場合は、見積もりの際に業者へ相談してみましょう。
ウレタン防水の工法②|通気緩衝工法
通気緩衝工法は、密着工法と異なり、床面に通気マットを敷いてからウレタン樹脂を施工します。
そのため、密着工法と比べて、通気性を確保できるのが特徴です。水蒸気による防水層の膨張を防げるため、通気性が高く耐用年数を延ばすことができるでしょう。
シート防水
シート防水の特徴
シート防水は、その名の通りシート上の防水層を使用した工法です。
シートは接着剤や専用の機械を用いて貼り付けますが、使用されるシートの素材にはいくつかの種類がありますが、おもなものは次の通りです。
・塩化ビニル樹脂系
・加硫ゴム系
・非加硫ゴム系
・エチレン酢酸ビニル樹脂系
なお、シート防水は、ほかの工法とは異なり乾燥時間がかからないため、施工時間が短く済むのもメリットです。
シート防水の工法①|接着工法
シート防水の接着工法とは、専用の接着剤を使って防水シートを貼る工法です。
シート防水の素材は、熱や紫外線に強い素材のため耐久性に優れ、ウレタン防水同様の元々使用されている防水の素材に関係なく、施工できます。また、一度古い防水層を取り除く必要がない場合は、下地処理が不要になるため、施工時間がさらに短縮されます。
シート防水の工法②|機械的固定工法
機械固定工法は、専用の機械を使ってシートを貼ります。接着工法と比較して通気性が高くなるため、雨漏りをしている箇所がある場合に用いられることの多い工法です。
シート工法はいずれの工法も作業時間が短く済むのが特徴ですが、凹凸のある場所の工事には不向きであることを覚えておきましょう。
アスファルト防水
アスファルト防水の特徴
アスファルト防水は、ほかの防水素材が普及する前から用いられている素材です。
アスファルトルーフィングシートと液状化したアスファルトを重ねて防水層をつくります。ほかの素材よりも耐用年数が長く、一度の工事で15〜25年程度持つのも特徴です。
紫外線や雨に強いだけでなく、重量にも耐えられることから屋上駐車場にも用いられています。
耐久性が高く、重力にも耐えられるアスファルト防水ですが、工事期間が長くなることと、ほかの工事と比較して、ニオイなどが気になる可能性があることを把握しておきましょう。
アスファルト防水に用いられる工法は、以下の3種類です。
アスファルト防水の工法①|熱工法
アスファルト工法のなかでも従来より用いられているのが熱工法です。
この工法では、液状化したアスファルトと、アスファルトルーフィングシートを塗り重ねますが、工事の過程で煙やニオイが発生します。そのため、禁煙はほかの工法を選ぶケースが増加しています。
アスファルト防水の工法②|冷工法
アスファルト防水では、熱を用いることが多いですが、常温法は、ほかの工法とは異なり、熱を使用しないで防水層をつくれます。
そのため、ニオイの発生がなく安全性が高いことから、現在ではアスファルト防水工事で常温方が採用されるケースが増えています。
アスファルト防水の工法③|トーチ工法
トーチ工法は、トーチバーナーを使用して、専用シートとアスファルトを貼り重ねる工法です。
アスファルトに熱を加えるのではなく、専用シートの裏側をトーチバーナーで炙る方法のため、ほかのアスファルト工法と比較して、煙やニオイが発生しにくい特徴があります。
場所別!防水工事の選び方
さまざまな防水工事の種類や工法を紹介しましたが、「うちのマンションでは、どれを選ぶのが良いの?」と感じた方も少なくないでしょう。最後に場所別におすすめの防水工事を紹介します。
人の出入りが多い場所
人の出入りが多い場所には、衝撃に強い耐久性のある素材がおすすめです。
そのため、共有部などにはFPR防水の使用を検討してみましょう。
ただし、FRP防水には伸縮性がないため、金属性や木製のベランダにはあまり適しません。
広くて凹凸がない場所
シート防水は、凹凸のある面に適さない反面、凹凸がない場所であればおすすめの素材です。
工期が短いだけでなく、日差しにも強いため、外階段などにも使用できます。
複雑な形状の場所
複雑な形状をした屋上などには、塗布するタイプの防水材であるウレタン防止がおすすめです。
複雑な形状だけでなく、凹凸のある面にも柔軟に対応できるでしょう。
耐久性を重視したい場合
耐久性を重視する場合には、アスファルト防水がおすすめですが、工事が大規模になるため、元々アスファルト防水が用いられていない場合は、それ以外の素材を選ぶ方がよいでしょう。
その場合は、耐久性にも優れ、工事が比較的素早く行えるFRP防水がおすすめです。
屋上駐車場など車の通行もある屋上
人の行き来だけでなく、車のように重量があるものも通る可能性がある屋上にはアスファルト防水を使用します。
ただし、アスファルト防水が使用できない屋上もあるため、希望する場合は一度業者に相談し、最適な素材や工法を提案してもらうのがよいでしょう。
【参考ページ】あわせてご覧ください。
★防水工事の種類と特徴 -メリット・デメリット-
★防水工事の種類別価格と耐久年数の比較
★防水工事の流れ
まとめ

今回は、大規模修繕で実施する工事の一つである「防水工事」について、使用する素材や工法を詳しくご紹介しました。
防水工事で使用する素材には、それぞれに特徴があります。なかには現在使用している素材でなくても、次の工事から使用できる素材もあるため、特徴を理解して業者と相談しながら、防水工事を検討してみましょう。
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【この記事の監修者プロフィール】
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