マンションの大規模修繕は必要か?基礎知識やリスクをわかりやすく解説!
マンションの大規模修繕は必要か?基礎知識やリスクをわかりやすく解説!こんにちは。
1961年の創業より東京都墨田区・江東区・台東区・江戸川区を中心に
大規模修繕、塗装、防水、リフォーム、リノベーション工事を行うベストウイングテクノです。
マンションのオーナーさんは、所有しているマンションを定期的にメンテナンスしなければいけません。
しかし、工事費用は高額なため、見た目に大きな劣化があったり、どこかにトラブルが起きていなかったりすると
「本当にマンションの大規模修繕を実施しないといけないのか?」
と考える方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は「マンションの大規模修繕をしないとどうなるか」や大規模修繕の基礎知識・リスクについてご紹介します!
この記事を読んで、大規模修繕を実施する際の参考にしてみてくださいね!
<<目次>>
▸2マンションの大規模修繕をしないとどうなるのか
▸3マンションの大規模修繕の基礎知識
▸4 マンションの大規模修繕の大まかな流れ
▸5マンション大規模修繕を行うために注意すること
▸6まとめ
マンションの大規模修繕とは?
大規模修繕とは、マンションが10〜15年に一度行う大規模な修繕工事のことです。
大規模修繕は建物の劣化によるトラブルを未然に防いで、安全に暮らせるようにするだけでなく、建物の資産価値を保つ目的もあります。
また、建物や設備の性能向上のための改修工事も大規模修繕に含まれます。
マンションの大規模修繕は基本的にマンションの共用部が対象です。
共用部には、屋上・外壁・エントランス・廊下・階段・バルコニー・駐車場などがあります。
これらの部分に関わる外壁塗装や屋上やバルコニーの防水工事、耐震工事といった、配管のメンテナンスなどを定期的に一度で行います。
なお大規模修繕は、工事内容が大規模であること、工事費が高額で工事期間が長期間にわたるものと定義されています。
お金や手間はかかりますが、マンションの快適性と安全性を維持するには重要なメンテナンスです。
マンションを管理するうえで欠かせないものといえるでしょう。
どのマンションも大規模修繕は行っているもの?
先述のようにマンションは、安全性の維持や資産価値を保つために大規模修繕が欠かせません。
しかしさまざまな理由から、定期的な大規模修繕が実施されていないマンションが少なくないのも現状です。
東京都都市整備局が2013年に行った調査によると・・・
1992〜2001年に竣工されたマンションで大規模修繕を実施しているマンションは約62%にとどまっていることがわかっています。
つまり約3分の1のマンションでは、大規模修繕が行われていないのです。
マンションの大規模修繕をしないとどうなるのか
大規模修繕は実施が欠かせないものではありますが、実施されていないマンションも存在します。
しかし、問題がみられないからといって、大規模修繕を行わないと多くのトラブルを引き起こすリスクがあります。
具体的にどのような問題があるのかを詳しく解説していきましょう。
強度・安全性が下がる
マンションをはじめ、どのような建物でも経年劣化は起こります。
例えば、外壁の塗装が剥がれ、雨漏りが起こると、外壁が痛むだけでなくマンションを支えている鉄筋が錆びる恐れもあります。
マンションの支えである鉄筋が錆びれば、マンション全体の強度が低下してしまうでしょう。強度の低下したマンションは、地震などの自然災害でトラブルが起こる危険性があります。
事故のリスクが高まる
外壁の劣化によりコンクリートが剥がれたり、崩れたりする可能性もあります。修繕が必要になるだけでなく、剥がれたコンクリートが住民や通行人に当たる事故が起きる恐れもあるでしょう。
またベランダや廊下の手すりが老朽化していたり、錆びてしまっていたりすると、ふとしたタイミングで破損してしまう可能性もあります。
こちらももし誰かが怪我をしてしまったり、転落してしまったりするようなことがあれば大変です。
快適な生活ができなくなる
雨漏りが起きたり、排水管にトラブルが起きたりした場合には、住民へも迷惑がかかるでしょう。
場合によっては、しばらくの間住むことができなくなる恐れもあり、補償が必要になる可能性もあります。
それだけでなく、外観や外壁、天井などに汚れや老朽化がみられると、快適な生活を送る空間ではなくなってしまうでしょう。
また快適な生活を送れなくなったマンションは、空室が目立つようになる恐れもあります。
空室が多いと家賃収入が得られないだけでなく、マンション全体の秩序の乱れにつながることがあります。
例えば、ゴミ出しのルールが守られなくなるようなことも起き始め、ますます空室が増えることにもなりかねません。
建物の資産価値が下がる
大規模修繕を怠り、建物の劣化やトラブルの発生リスクが高まったマンションは、住宅として暮らしやすさが低下してしまいます。
そのようなマンションは資産価値も下がってしまい、家賃を下げざるを得なくなったり、売却を検討する際に思った価格がつかなかったりする恐れもあります。
マンションの大規模修繕の基礎知識
マンションで大規模修繕をしないと起こりうるリスクを解説しました。
大切なマンションの安全を確保し、資産価値を高めるためにも10〜15年に一度は大規模修繕の実施が重要です。
大規模修繕の実施にあたり、知っておくべきことを解説します。大規模修繕の計画や実施を検討する際の参考にしてください。
マンションの大規模修繕はなぜ必要なのか
大規模修繕はマンションを維持管理するために重要なメンテナンスです。
経年劣化はどの建物も避けられないことであり、そのままにしておくと快適な生活が送れなくなるだけでなく、事故の原因にもなりかねません。
しかし大規模修繕は、高額な費用がかかるため急に行うことは難しく、計画的に実施する必要があります。
事前に必要となる工事を洗い出し、予想される費用の見積もりを出します。
そして、10年に一度行うのであれば10年間で費用を積み立てるために、修繕積立費などを計算していきましょう。
ただし想定よりも早く劣化が進んだり、劣化が激しくなったりする恐れもあるため、必ずしも計画通りに工事が行えるとは限りません。
そのため、積立金は余裕を持っておくと良いでしょう。
適切な実施時期
これまでにも解説したように、大規模修繕は10〜15年に一度は実施することが推奨されています。
なお国土交通省が出しているガイドラインでは、「大規模修繕は12年周期」とされています。
15年以上大規模修繕されていないマンションは、劣化が激しくなり、想定以上の修繕が必要になる場合があります。
そうなれば費用もより高額になってしまうため、かえって負担が多くなる可能性もあるでしょう。
また10年経っていなくても、紫外線や雨風、地震などの影響を受けて、トラブルが発生する恐れのある状態になっていることもあります。
そのため、定期的に専門家の建物診断を受けて、必要に応じたタイミングで修繕をしたり、大規模修繕の実施を早めたりするようにしましょう。
工事期間の目安
大規模修繕は「準備期間(計画から着工まで)」と「工事期間(着工から工事完了まで)」の2つに分けられます。
準備期間は業者との打ち合わせに加え、マンション住人である組合へ説明を行い、承認を得ることが必須です。これらが完了するのには、1〜2年かかる場合もあるため、10年経ってから着手するのではなく、早めに動き出さなければいけません。
そして実際の工事は、小規模マンションの場合3〜4ヵ月程度、50〜100戸ほどのマンションは4〜6ヵ月程度、大規模マンションでは半年から1年程度の期間が必要になるでしょう。
工事費用の目安
工事費用はマンションの規模や劣化具合によって大きく異なりますが、一般的な費用である戸あたり100〜150万円を目安に考えると良いでしょう。
修繕費用は、建物診断の結果を基にして必要な工事や工事内容から算出します。
工事にかかる費用は劣化状態だけでなく、工事で使用する材料でも変動するでしょう。
予算や次回の大規模修繕までの期間も想定し、業者と相談しながら進めましょう。
マンションの大規模修繕の大まかな流れ
マンションの規模によって大規模修繕の流れは異なりますが、一般的な大規模修繕が実施される流れをご紹介します。
実際には建物の状態や必要な工事によって工程が異なる場合もあるため、見積もりを取る際に業者へ確認しながら進めるようにしましょう。
①仮設工事
仮設工事は、足場を組んだり、メッシュシートを設置したりする工事です。またそのほかにも工事期間に必要な現場事務所や資材置き場も設置していきます。これらは工事完了後、全て撤去されます。
②下地補修工事
壁や天井に使用されているコンクリートに発生しているひび割れを丁寧に補修していきます。補修がきちんとされないまま外壁塗装をしてしまうと、大規模修繕を実施したにも関わらず劣化やトラブルが起こる可能性があるため、建物の安全を保つために必要な工程です。
③タイル補修工事
マンションに使用されているタイルのひび割れや浮きを補修します。コンクリートと同様にしっかり補修しておかないと、雨漏りを起こしてしまうなどのトラブル再発につながってしまうため、こちらも大切な工事です。また、人目につく場所のタイル補強をすることで、快適性の維持にもつながるでしょう。
④シーリング工事
外壁やタイルの継ぎ目に使用されているシーリングも劣化症状の起こりやすい箇所です。シーリング材を新しくして、劣化したシーリングの隙間から雨水が建物内部に浸入しないようにしておきましょう。
⑤塗装工事
外壁塗装は見た目を美しい姿に復元させるだけでなく、雨水の侵入を防いだり、ひび割れを防いだりする役割があります。またバルコニーや廊下などに設置された手すりなどの錆びにも塗装工事を施します。
⑥防水工事
屋上やバルコニー、廊下のゆか部分に防水工事をします。防水層は劣化すると、めくれや膨れが生じたり、ひび割れたりすることがあります。シート防水や塗膜防水などさまざまな工法がありますが、建物の状態や形状によって最適な方法で工事を施し、雨漏りなどのトラブル対策をしましょう。
マンションの大規模修繕を行うために注意すること
大規模修繕には費用がかかるほか、工事期間も長く、余裕を持った計画や周囲への配慮などの準備も大切です。
以下の項目を把握するだけでなく、依頼先の業者にもアドバイスをもらいながら円滑に工事が進められるようにしましょう。
大規模修繕の費用は計画的に積み立てる
大規模修繕の費用は高額であるため、事前計画を参考に、逆算して費用を積み立てておく必要があります。国土交通省で過去に行われた調査では、マンションのおよそ3割は修繕積立費だけでは工事が実施できず、借入をして対応しているとされています。
費用が足りなくなる理由としては、
・修繕計画を立てた時よりも物価の高騰などの理由で工費が上がってしまった
・空き部屋が多く、修繕積立費用が回収できていない
・修繕に必要な金額と徴収している金額があっていない などの理由があげられます。
予算が足りず、大規模修繕を見送ることにならないよう、余裕を持って必要な金額に少し上乗せして積み立てておくようにしましょう。
★ マンションの老朽化が気になる! 修繕費不足で満足のいく修繕ができない! 対策方法や長期修繕計画の見直し方法を解説
工事中に起こる可能性があるトラブルを把握しておく
工事期間はマンション住人だけでなく、近隣住民にも迷惑をかける恐れがあります。
起こりうる可能性の高いトラブルは以下です。
・工事の騒音
・工事で発生するにおいやホコリ
・工事関係車両による通行の妨げ など
工事前にマンション住人へ周知するとともに、近隣住民への説明も怠らないようにして、トラブルを未然に防ぎましょう。
【参考記事】あわせてご覧ください。
★マンションの大規模修繕工事を検討している方必見!事前に行うべき建物診断について
★ もっと知りたい! そもそもマンションの大規模修繕工事とは?~大規模修繕工事が必要な理由~
★ マンションの長期修繕計画とは 基礎知識と注意点を解説
まとめ
今回は、マンションの大規模修繕の必要性や基礎知識ついて詳しくご紹介しました。
10〜15年に一度実施する大規模修繕は、マンションを長く安全かつ快適に使用するために重要なメンテナンスです。あらかじめ計画を立てて、予算不足にならないよう余裕を持った積み立てをしておき、工事に備えましょう。
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【この記事の監修者プロフィール】
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